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キャサリンの物語: するべきこと

Discussion in 'ヒーローたちの物語' started by VideoVillain, Dec 8, 2015.

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    キャサリンの物語: するべきこと

    ジュリアの死にまつわるキャサリンの真実の物語がついに明らかに。

    Cath Lore.jpg

    なされるべきこと
    By Captain Neato & Sugar Venom

    寂れた呑み屋の奥にあるテーブルの上で、1 本のキャンドルの火が揺らめいていた。その灯りは非常にはかなく、そこでただ 1 人、手に持った熱い紅茶のカップの中で葉が踊るのを見ている重いフード付きのコートをかぶった女にとっては、ないのと同じだった。彼女は、年老いた女性たちがジャラジャラと腕輪をならしながら、紅茶の葉を使ってあたかも客の未来を占うような商売をする放浪の一座からまぬがれるように青春時代のすべてを過ごしてきた。

    占いなどインチキだとわかってはいても、今の彼女はそれにいくらでもお金を払える気分だった。

    キャサリンが入ってくると、そこにいた全員がそちらを振り向いた。赤白のユニフォームは見えなくても、身に着けた古ぼけた色のフード付きマントによって、プレデターが入ってきたという不穏な雰囲気が充満した。キャサリンはジュリアに微笑みながら彼女のいるテーブルの方へ進んだ。マントを脱ぐと、地元の人々と同様のスタイルのすっきりとした装いになったが、店内の重苦しい雰囲気が変わることはなかった。

    慌てたウェイターの言葉は意味をなさず、ただ口からこぼれ落ちるだけだった。「こんに..こんば...いらっしゃいま...ご注文...何を...?」

    キャサリンは若者を見下ろしながら、彼が一段落するのを待った。「ワイン。」口元をほんの少し緩ませて、彼女は言った。

    「かしこまりました...お客様は? 紅茶をもう一杯お持ちしましょうか? あれ、もしかしてジュリ...」

    キャサリンがすっと近寄り、人差し指でこの男のあごをくいっと上げて自分に視線を向かせ 「赤ワイン。」と囁いた。

    ウェイターが去ると、ジュリアは思わず大きく息を吐き出した。「うまくごまかしたわね、キャス。他の客にとっても、できるだけ楽しい思い出が残るようにしてあげてね。」

    キャサリンは傷ついたふりをして鼻で笑った。「いじわるね。完璧に変装したつもりだけど。見てよ、このボタン!」 そう言ってウィンクをすると、大きく腕を広げた。

    ジュリアは笑ったが、それはまるで泣き出してしまわないように必死にこらえているように、はかなく響いた。「あなたの変装はトラに帽子をかぶせた程度ね。」

    ワインが注がれる間、どちらも口を開かなかった。程なく、キャサリンが真剣な面持ちでジュリアに顔を寄せた。「彼女は双子とあなたを狙ってるわ、リア。あなたに負ける前に戦争をしかけるつもりよ。」

    ジュリアは顔を上げた。「ガイシアが助けてくれる。」

    キャサリンは首を振った。「たぶんね。いつか、その時が来たら。でも、ストームガードはもうここに来てる。道中、ヴィンがずっと肩にいたから伝達はできなかったのだけど。あなたの家族は今彼が見てるわ。」 キャサリンは、ジュリアの震える手を両手で包んだ。「今夜、ミッションを敢行する。双子は私と共にモン・ライルへ戻るのよ。」

    ジュリアは手を振りほどくと、くもの巣だらけの天井を見つめた。「いいえ。」

    キャサリンは背筋を伸ばした。「わかるでしょう。他の方法があるならそうしてるわ。でも、今はこうするしかないの。約束するわ、リア。双子のことは私が面倒を見る。」

    「だめよ!」 ジュリアは譲らなかった。「姉はセレスを自分のイメージ通りの暴君に仕立て上げる。そしてあなたはそれを止めることはできない。」

    キャサリンはごつごつとした手を開いた。「で? 代案はあるの? あなたとアーダンは、今夜ストームガードを倒すことはできない。私の助けがあったとしても。あなたの農場を包囲していない者は、ポンピウムに通じる道をすべて封鎖してる。このミッションが成功したら、私たちは消えるわ。リア、あなたに残された道は、私を信じることだけよ。」

    「姉があなたを信じるように?」

    キャサリンは目を細めた。「私とあなたは子供のころからの友達でしょう。」

    「私たち 3 人は、仲良しの友達だった。」 再び長い沈黙が二人の間に流れた。そして、ジュリアがため息をついた。「アーダンに、ストームガードが近くにいるかもしれないから気をつけるように言うわ。子供たちにはいつも通りにしてもらう。外見上は、何の異常もないのだから。あなたが攻撃を始めたら、アーダンに子供たちを連れて逃げてもらいましょう。」

    「ストームガードから逃れる術はないわ。」

    「ひとつだけある。メージは、死ぬときに最もパワーが増すの。私の命を奪って。私の全パワーを彼に託すわ。彼ならうまくやってくれる。」

    キャサリンはワイングラスを握り締め、氷のように冷たい声で言った。「そんなことしないわよ。」

    「ショーを見せてあげましょうよ。ちょっとした娯楽を。」

    キャサリンは、濡れて光った目で、ふりしぼるように言った。「できないわ。」

    「そして、逃げて。モン・ライルには、もう何も残らない。ストームガードはアーダンを追うわ。あなたはガイシアにいる私たちの友人のところまで逃げ延びて。」

    キャサリンの手の中でワイングラスが砕け散った。ガラスの破片が音を立ててテーブルに降りそそぐ。店の中にいた全員が、握り締めた拳からハルシオンに満ちた血を滴らせたキャサリンを見つめ、店内は静まり返った。「あなたたち姉妹は、そろって自分たちの要求の重さをまったく省みないわね。」キャサリンは声を詰まらせ、止まらない涙を瞬きで隠そうとした。

    ジュリアは、こみ上げてくる締め付けられるような感じを飲み込んだ。そして母のような手つきで、優しくキャサリンの血まみれの手をとった。「あなたの気持ちはとてもありがたいわ。でも私は人じゃないの。私は帝国なのよ。」 キャサリンの手に刺さったガラスを取り除きながら、歌うように囁いた。「子供たちを姉の手に渡したら、娘はモンスターになってしまう。息子は、彼女の軍隊の最前線に送られてガイシアを脅かすように領土を広げていくわ。」 ジュリアがキャサリンの手を優しく包み込むと、血とワインが床に滴り落ちた。ハルシオンからパワーを得たジュリアの治癒能力により、緑色の光が傷口を癒した。「なされるべきことをするだけ。決して自分を責めないで。それと...それから...」 ジュリアは言いかけたが、それ以上何も言わなかった。

    「すぐに済ませるわ。」キャサリンは穏やかに言った。

    ジュリアは肩を落とし、元通りに治ったキャサリンの手を離した。2 人はテーブルを離れ、お互いに向き合って立った。両者の間に、一瞬だけ、埋めようのない距離が感じられた。

    キャサリンは微笑んでジュリアの頬に手を触れた。

    「リア。」キャサリンが囁く。

    「キャス。」囁き返すジュリアの喉に、嗚咽と笑いがこみ上げてくる。

    キャサリンは背筋を伸ばして両手を体の横に戻し、すっきりとした目で見つめた。そしてジュリアに向かって小さくうなずくとマントをつかみ、自らの血で汚れた床を踏みつけて、黙ったまま興味津々で見つめる客の間を抜けて呑み屋を後にした。

    続く...
    Last edited: Dec 8, 2015

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